Zakat

Be a lamp, or a lifeboat, or a ladder. Help someone’s soul heal.

ランプになれ、さもなくば救命ボートになれ、さもなくば梯子(はしご)になれ。誰かの魂が癒えるのを助けるのだ。

(Source: Jalāl al-Dīn Muḥammad Rūmī)


困っている人を助け、社会に平等をもたらそうとする姿勢は、生き方において最も根本的で大切な考え方の一つです。それは特定の宗教に限られたものではなく、人間として本来備わっている普遍的な発想だと言えるでしょう。

人を助けるという行為は、「寄付」や「社会への貢献」という文脈につながります。しかし、重要なのはどれだけの額を差し出したかではありません。どれほどの思いやりや愛を込めて行ったか、そしてその行為を通して自分自身の心や魂が癒されているかが、本質なのです。

マザー・テレサや詩人ルーミーの言葉は、まさにそのことを私たちに教えてくれます。与えることは、誰かのためであると同時に、自分自身をも豊かにする行為なのだと。

イスラームにおける五つの柱の一つである「ザカート」は、単なる個人の善意による寄付ではありません。むしろ『義務として位置づけられた寄付』に近い性質のものです。イスラームでは『平等の精神』が何よりも重んじられています。富を自分一人で独占するのではなく、貧困に苦しむ人々に目を向け、分かち合う生き方を大切にしているからです。

この『ザカート』は、困っている人を支援し、社会全体の経済的な不平等をなくしていくことを目的とした、ムスリム(イスラーム教徒)にとって欠かせない義務的な慈善活動なのです。ザカートの使い道は人間が勝手に決めるものではなく、「社会的に弱い立場にある人々の権利」として神によって明確に定められているという点に、イスラーム経済の大きな特徴があります。

Zakah expenditures are only for the poor and for the needy and for those employed to collect [zakah] and for bringing hearts together [for Islam] and for freeing captives [or slaves] and for those in debt and for the cause of Allah and for the [stranded] traveler – an obligation [imposed] by Allah. And Allah is Knowing and Wise.

(Source: Surah Taubah, Ayat 60)


喜捨(ザカート)は、ただ、貧しい者、困窮している者、それ(ザカート)の管理・徴収に従事する者、心を寄せられるべき者(信仰の仲間)、奴隷の身分からの解放、負債に苦しむ者、アッラーの道のため、そして旅人のためのものである。これはアッラーによって定められた義務である。アッラーは全てを知り、賢明であられる。

(引用元:アッ・タウバ章60節)

この活動は、イスラーム教におけるもう一つの柱であるラマダン(※詳細は次の記事で解説予定)の終盤、最終日に近い時期に行われます。ザカートの計算について、最も良いのはモスクのイマームと相談することです。ハディース(Sahih al-Bukhari 1454)によれば、基本的には『余剰資産の2.5%』を支払うべきであると記されています。しかし、現代は通貨や資産の価値が激しく変動する、市場の変化が非常に速い時代です。そのため、自分の状況に合わせた最も適切で誠実な分配を行うためにも、専門的な知識を持つイマームのアドバイスを受けるのが、最も安心できる方法と言えるでしょう。

なお、義務的な寄付であるザカートとは別に、サダカと呼ばれる慈善行為もあります。サダカは、業務や義務として定められたものではなく、いつでも、任意の金額で行うことができる自発的な寄付です。人の善意と志に基づいた慈善活動として、広く実践されています。

イスラーム教における重要な教え

And establish prayer and give zakah, and whatever good you put forward for yourselves – you will find it with Allah. Indeed, Allah of what you do, is Seeing.

(Source: Surah Baqarah, Ayat 110)


礼拝を正しく行い、喜捨(ザカート)を捧げなさい。あなたがたが自分の魂のためにあらかじめ送り出した善行は、アッラーのもとで(その報いを)見いだすであろう。まことにアッラーは、あなたがたの行うすべてを完全に見守っておられる。

(引用元:アル・バカラ章110節)

Those who spend their wealth [in Allah ‘s way] by night and by day, secretly and publicly – they will have their reward with their Lord. And no fear will there be concerning them, nor will they grieve.

(Source: Surah Baqarah, Ayat 274)


夜も昼も、密かに、あるいは公然と、(アッラーの道のために)自らの財を施す人々、そのような人々への報いは主のもとにある。彼らには恐れもなく、悲しむこともないであろう。

(引用元:アル・バカラ章274節)

“Those who believe, and do deeds of righteousness, and establish regular prayers and regular charity, will have their reward with their Lord: on them shall be no fear, nor shall they grieve.

(Source: Surah Baqarah, Ayat 277)


信仰して善行に励み、礼拝を正しく行い、定めの喜捨(ザカート)を捧げる者たち、彼らへの報いは主のもとにある。彼らには恐れもなく、悲しむこともないであろう。

(引用元:アル・バカラ章277節)

two women came to the Messenger of Allah, and they each had a bracelet of gold on their forearms. So he said to them: “Have you paid their Zakat?” They said, “No.” The Messenger of Allah said to them: “Would you like for Allah to fashion then into two bracelets of Fire?” They said, “No.” He said: “Then pay its Zakat.”

二人の女性がアッラーの使徒のもとにやって来ました。彼女たちの手首にはそれぞれ金のブレスレットが着けられていました。 預言者は彼女たちに尋ねられました。「これらに対するザカート(喜捨)は支払いましたか?」 彼女たちが「いいえ」と答えると、アッラーの使徒はこう言われました。 「あなたがたは、アッラーがそれらを二つの『火のブレスレット』に変えて(地獄で)着けさせるのを望むのですか?」 彼女たちが「いいえ、望みません」と答えると、彼は言われました。 「ならば、そのザカートを支払いなさい。」

(Source: Jami` at-Tirmidhi 637)


“The Messenger of Allah (peace be upon him) said: ‘Whoever departs this world with sincerity towards Allah, worshipping Him alone with no partner, establishing regular prayer and paying Zakat, he dies while Allah is pleased with him.'”

アッラーの使徒(彼の上に平安あれ)はこう言われました。 「アッラーに対して誠実であり、いかなる対等な存在も配さずただ彼(アッラー)のみを崇拝し、礼拝を正しく行い、ザカート(喜捨)を支払ってこの世を去る者は、アッラーが彼に満足された(お喜びになられた)状態で亡くなるのである。」

(Source: Sunan Ibn Majah 70)


https://www.aljazeera.com/news/2025/3/23/a-simple-illustrated-guide-to-zakat-answers-to-7-common-questions
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